公開用ファイル(授業概要)

授業題目	ジェンダー（性別）に基づく差別の現実と、平等実現のための憲法理論
授業の概要	〇本講義は憲法学における「人権論」や「平等論」のうち、ジェンダー（性別）に基づく差別をめぐる現実と、ジェンダー平等を実現するための憲法理論について集中的に学ぶ。〇ジェンダー差別には、大きく分けて、男女間の「労働」をめぐる不平等と、「性（セクシュアリティ）」をめぐる不平等がある。「労働」をめぐる不平等については、「雇用労働」における不平等と、家族内で私的に行なわれる「家事労働」における不平等の問題を学ぶ。〇「性」をめぐる不平等は、性犯罪、セクシュアルハラスメント、ＤＶなどの「性暴力」、および買春・性風俗、ＡＶ制作といった「性搾取」の問題を取り上げる。〇「同性愛差別」など性的マイノリティの問題も取り上げる。
学習の到達目標	・「ジェンダーの視点」から、両性不平等や性的マイノリティの問題を理解できる。・男女間の「労働」の不平等と、「性」の不平等の現状を理解できる。・ジェンダー差別や性的マイノリティ差別を解消する平等論と人権論を理解できる。

授業計画	第１回	総論　現代の性差別（ジェンダーの視点から）
	第２回	ビデオ「私は男女平等を憲法に書いた」
	第３回	労働における男女不平等の実態
	第４回	労働の平等のための法理論（ポジティブアクションと間接差別禁止）
	第５回	性暴力①　レイプと法規制
	第６回	性暴力②　セクシュアルハラスメントの実態と法規制
	第７回	性暴力③　ＤＶの実態　ビデオ「私を守る　ＤＶ被害と女性たちの証言」
	第８回	性暴力④　ＤＶ防止法の内容と問題点
	第９回	性搾取①　性売買の歴史　映画「赤線地帯」
	第１０回	性搾取②　性売買の歴史と現実
	第１１回	性搾取③　性売買の法規制
	第１２回	性搾取④　ポルノグラフィの実態と被害
	第１３回	性搾取⑤　ポルノグラフィの法規制と「表現の自由」
	第１４回	同性愛差別とジェンダー差別
	第１５回	まとめ

授業外学習の課題	配付資料と課題に取り組んで授業にのぞむこと。
履修上の注意事項	ジェンダー差別、性的マイノリティの人権問題などに関心のある学生の受講を期待する。このテーマに関係するニュースに注意を払っておく。このテーマに関係する図書やウェブサイト等に目を通しておくこと。
成績評価の方法・基準	リアクションペーパー（20％）、ビデオレポート3回（30％）、最終レポート（50点）を目安に総合的に評価する。
テキスト	テキストは指定せず配付資料を使用する。
参考文献	三成美保ほか著『ジェンダー法学入門（第2版）』（法律文化社、2015年）2500円＋税辻村みよ子『概説ジェンダーと法』（信山社、2013年）2000円＋税中里見博『ポルノグラフィと性暴力』（明石書店、2007年）2500円＋税
主な関連科目
オフィスアワー及び質問・相談への対応	授業中に配付する質問用紙を使用する。

■カリキュラム情報