授業コード 30038800 クラス
科目名 特別講義A(不法行為法) 単位数 2
担当者 増田 栄作 履修期 後期授業
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 民法・不法行為法に関する諸問題の検討
授業の概要 本講義では、事務管理(民法697条以下)、不当利得(民法703条以下)および不法行為(民法709条以下)を検討対象とする。近代法においては、当事者を法的に拘束する債権債務の発生は、当事者の意思に基づく法律行為(特に契約)によることが原則であるが、民法は、これら3つのいずれも当事者の意思によらない債権債務の発生原因を認めている(法定債権関係)。これら諸制度は、条文にして30条足らずであるが、理論的に錯綜した状況にあり、特に不法行為においては、交通事故、公害、製造物責任等の現代的な現象に対応する中で、判例・学説ともに様々な議論がおこなわれている。本講義では、各分野についての標準的な理解の獲得を課題としつつ、複雑な理論動向の整理にも努め、明快な全体像を提示できるよう試みたい。また民法(債権関係)改正に関する不法行為分野の関連領域について、なお、本講義では、現行規定に基づいて学習をすすめるが、その際は2020年施行予定の新規定の内容に特に留意し、現行法と関連づけながら改正法の重要論点について検討を加える。
学習の到達目標 当該講義対象分野に関する標準的な理解の獲得を目標とする。
1.社会に生起する不法行為法に関連する諸問題について、民法上の規定や論点と関連づけて、より体系的に理解できるようになる。
2.日常生活に関わる不法行為法上の具体的課題について、民法上の規定や論点をふまえて、より適切かつ専門的に対処できるようになる。
3.当該分野のより高度な学習・研究活動にとって必要となる・より発展的な理解や思考力を獲得する。
授業計画 第1回 第1回 導入・不法行為法の講義対象について
第2回 第2回 総説・不法行為法の意義・基本原理・目的と機能
第3回 第3回 一般的不法行為・違法性要件権利侵害から違法性へ
第4回 第4回 違法性②相関関係説・違法性の判断基準
第5回 第5回 故意過失①予見義務違反と結果回避義務違反
第6回 第6回 故意過失②具体的過失と抽象的過失・注意義務設定の要素
第7回 第7回 違法性と過失の関係・損害の発生と因果関係
第8回 第8回 一般的不法行為の要件・中間まとめ
第9回 第9回 不法行為の効果・損害賠償と原状回復・差止め
第10回 第10回 損害賠償請求権者・損害賠償の範囲(相当因果関係説と批判説)
第11回 第11回 損害賠償額の算定(差額説と実体的損害説)
第12回 第12回 特殊的不法行為・使用者責任・土地工作物責任
第13回 第13回 共同不法行為責任・特別法上の不法行為責任(国家賠償法・自動車損害賠償保障法・製造物責任法)
第14回 第14回 不当利得
第15回 第15回 事務管理・最終まとめ
授業外学習の課題 1.毎回の講義の前に、あらかじめ配布された講義レジュメを読んで、その日の講義で扱われる内容を確認しておくこと。これをおこなうだけでも、全く何の準備もなしに講義を受けることに比べれば、講義内容の理解は格段に向上する。
2.さらに時間があれば、講義で扱われる内容に対応する参考文献等の該当部分を読んで、内容について理解を深めておくこと。
3.もっと時間があれば、レジュメや参考文献等をもとに、ノートを作成すること。その過程で当然生ずる疑問点についてもまとめておくとよい。
4.講義終了後は、講義中にとったメモや他の文献資料等も参照して、講義内容をノートに反映・整理すること。この作業と同時に上述1.の課題にとりくんで、次回の講義内容を関連づけて整理しておくとよい。
5.課題処理にかかる時間の目安は、1.のみなら最低数分程度、全てを充実させるなら、数時間程度は必要と思われる。
6.本講義はいわゆる「発展科目」に位置づけられており、授業外学習においてもより周到な準備が期待される。
履修上の注意事項 上記のような予習・復習をおこなうこと。毎回出席すること。講義中は他の受講者の迷惑となる行為は慎むこと。六法・判例集を持参すること。できる限り他の民法講義も履修すること。
成績評価の方法・基準 講義期間中に実施する中間試験および定期試験の成績をもって評価する(全体を100点満点・うち中間試験40点満点・定期試験60点満点として評価)。
テキスト 別途指示する。
参考文献 別途指示する。
主な関連科目 民法に関連する科目
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
毎回の授業終了時に直接申し出ること。その場で必要に応じて説明の日時・場所等を設定する。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次
法学部法律学科(発展科目) 2007~2010 2・3・4
法学部法律学科(発展科目) 2012~2016 2・3・4
法学部法律学科(発展科目) FLLA30905 2017~2017 2・3・4