授業コード 30037810 クラス 10
科目名 ゼミナールⅠ 単位数 2
担当者 豊田 博昭 履修期 前期授業
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 民事訴訟の基本原理を学ぼう
授業の概要  民事訴訟は、民事紛争を解決するための国家の裁判所の手続きです。原告の訴え提起に始まり、裁判所での訴訟審理を経て、終局判決で原告の権利主張の当否が判断されます。
 裁判官の思考方法は法的三段論法といわれます。当事者の提出する事実を小前提として、これに大前提である法規を適用すると、判決が導かれる。実際の裁判過程はこれほど簡単なものではありませんが、ひとつの授業目標としてこれを理解することは、民事訴訟または民事訴訟法の基本的な考え方を理解するのに重要と思います。
 原告の訴え提起から裁判所の終局判決までの第一審手続の手続過程において、現行法を支える基本原理を中心に勉強していきたいと思います。
学習の到達目標  判決手続全体の流れ、およびそれを支える民事訴訟の基本原理を正確に理解できるレベルを目標にしましょう。
 授業計画として、判決手続の基本的原理について学習したいと考えています。同時に、最近の民訴法に関する最高裁および下級審の判例を、少なくとも10件程度は読破したいと考えます。それらの判例は、徐々に指示していきたいと思います。何人かのグループに分かれて、集団的に学習し読み進めましょう。
 なお副次的に、親子関係事件に関する判例・論文・判例解説を検討し、勉強していきたいと思います。
授業計画 第1回 民事裁判の世界
 司法制度、実体法と訴訟法。民事裁判とは何だろうか。民事裁判は誰のためにあるのだろうか。民事裁判の主役は誰か。
第2回 民事紛争を解決する諸制度
 ADR、調停、仲裁などの合意による紛争解決制度と民事訴訟制度の違い。非訟事件手続法、家事事件手続法、人事訴訟法と民事訴訟法の概観。
第3回 民事訴訟の開始1
 判決手続概観。訴えと訴訟上の請求、処分権主義、訴訟物についての考え方。
第4回 民事訴訟の開始2
 訴訟要件、訴訟係属、二重起訴の禁止。
第5回 民事訴訟の審理1
 当事者主義と職権主義、訴訟審理の基本原則。
第6回 民事訴訟の審理2
 弁論主義、釈明権。
第7回 民事訴訟の審理3
 弁論主義、釈明権。
第8回 事実認定と証拠調べ1
証拠調べの必要、自由心象主義。
第9回 事実認定と証拠調べ2
裁判所の証拠調べの実施、証明責任とその分配原則。
第10回 民事訴訟の終了1
当事者による訴訟の終了、和解。
第11回 民事訴訟の終了2
裁判の成立、裁判所の終局判決。
第12回 民事訴訟の終了3
終局判決の拘束力。
第13回 民事訴訟の終了4
 終局判決の拘束力。
第14回 上訴制度
 控訴審、上告審の手続概観。
第15回 民事訴訟制度の課題
授業外学習の課題  民事訴訟法の講義は後期配当になっています。必ず受講して下さい。そこで使用する教科書、それとも、各自所持しておられるならばその民事訴訟法の教科書を通読することに努めましょう。前期は細部にこだわらず、上記計画に従って教科書の該当部分を理解しましょう。それとともに、下級審判例や欲張って最高裁判例も、読み進めたいと思います。
履修上の注意事項  民事訴訟の判決手続に関する教科書を必ず購入・持参して授業に出席して下さい。また授業では頑張って、予習の成果を積極的に発言するように期待しています。
 ゼミでの発表にさきがけて、図書館一階のグループ学習室で報告者全員で議論して、報告して下さい。

成績評価の方法・基準 授業に積極的に取組む姿勢・発言があるか60%、事前の学習ができているか、その予習のレベルはどうか20%、受講態度20%をもとに、総合的に評価します。集団学習の場です。お互いが協働的に、協調的に、そしてフレンドリーに一緒に勉強しましょう。
テキスト  民訴法の授業でも使用する教科書を使用します。中野貞一郎『民事裁判入門』(有斐閣、第3版補訂版、2012年)です。
参考文献 適宜、指示します。
主な関連科目 実体法の科目、民事執行法など。
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
授業の後でも結構ですし、研究室で日時を決めて対応します。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次
法学部法律学科(演習) 2007~2010 3・4
法学部法律学科(演習) 2012~2016 3・4
法学部法律学科(演習) FLLA20803 2017~2017 3・4