授業コード 30028603 クラス 03
科目名 基礎演習 単位数 2
担当者 豊田 博昭 履修期 前期授業
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 民事裁判を勉強しよう
授業の概要  民事裁判のしくみを、最近の第一審民事訴訟事件の判決文を読んで、勉強したいと思います。どこの裁判所で、誰と誰が、どのような権利をめぐって争っているのか、まず第一の学習ポイントです。
 つぎに、当事者双方はそれぞれどのような主張をしているのか、それにより当事者間でどのような争い(争点)が発生しているのか、これを根気強く読みます。
 そして、裁判所が当事者間の争点についてどのような判断を下したのか、これをていねいに読みましょう。
 授業では、担当者が選んだ3-4件の事件を読みつつ、考えつつ、理解しつつ、そして最後に担当者から当該判例で問題になった論点、または、裁判所の判決文自体、当事者双方の主張の対立点などについて、レポートを課します。これを受講者がまとめて、つぎの事件に移ります。
 以上申し上げたような概略で、最近の民事判例の中から受講者のみなさんにも興味をもってもらえそそうな内容の事件を取り上げる予定でいます。
 よろしくお願いします。
学習の到達目標  課題の民事判例を正確に読み、理解し、担当者の課したレポート課題に対して頑張って書き上げることができるレヴェルを求めます。同時に、六法を自分で使いこなせるようにそのためのトレーニングも兼ねています。
授業計画 第1回  最近の第一審民事裁判の具体例を実際の判決文を読んで、確認してみましょう。いまこのシラバスを書く段階で、どの民事裁判を使用するかは確定していません。開講時には確定予定ですが、以下、一応のサンプルとして書いてみます。
 最初は、物の売買契約に関するトラブルが問題になった民事事件を取り上げます。では、売買契約とは何でしょうか。売買契約の中味を考えてみましょう。それに関する法的なトラブル、民事事件、民事紛争です。関係者にはどんな困難・問題が生じてますか、考えてみましょう。
第2回  第1回授業で取り上げた売買契約に関する民事事件の検討を続けます。少しステップアップして、その民事事件が裁判所で解決される場面に注目してみましょうか。まず最初に、当事者はどのような権利を主張されているかに、注目しましょう。それは何という法律の、何条が問題になっていますか、六法で確認です。また裁判所は、どこの、どんな種類の、何年何月何日の判決(または決定)でしょうか。この判決は、なんという判例集に掲載されていますか。
第3回  前回に引き続き、当事者双方の主張・攻防を勉強します。前回終了後から一週間があります。この間に、受講者は予習をしてもらう必要があります。授業は予習に基づいて進めます。当事者間の主張で、どのような対立点が生じていますか。双方の主張は、どのような権利・事実に関する対立ですか。授業が終わりますと、宿題が出ます。来週までにやってこなければなりません。
第4回  前回に続いて、裁判所の判断部分、つまり判決文を読みましょう。裁判所はどのような判断を下しましたか。最終結論は、原告の勝訴でしたか、原告の敗訴でしたか。それはどのような理由で、裁判所はそのような結論に達したのでしょうか。これも、受講生のみなさんが事前に予習して授業に臨んでもらって、授業を進めていくことになります。授業が終われば、レポート課題が出ます。担当者の方で、取り上げた民事判例について解説を加えて、この事件の学習を終わります。つぎは、賃貸借契約に関する第一審・民事裁判を取り上げます。来週に向けて、つぎの事件の判決文を読み始めなければなりません。
第5回  売買契約に関する民事裁判の学習方法で上述しましたのと同様に、今度は、土地または部屋を貸した・借りたという契約関係(賃貸借契約)から生じた民事事件の第一審判決を読みましょう。
第6回  前回に続いて、賃貸借契約に関する第一審民事訴訟の判決を勉強します。授業中の勉強は、受講生のみなさんの予習を前提に進めます。担当者の方からも、予習ポイントは適宜、指摘しますが、自主的な学習、レポートの提出は心しておいて下さい。
第7回  前回に続いて、賃貸借契約に関する第一審民事訴訟の判決を勉強します。内容や方法は売買契約のところで書いたのと同様です。
第8回  前回に続いて、賃貸借契約に関する第一審民事訴訟の判決を勉強します。内容や方法は売買契約のところで書いたのと同様です。
 これで講義期間の半分が過ぎました。少し時間をとって、受講生のみなさんの意見を聞いて、授業後半で取り上げる事件を軌道修正するか、当初の方針通りで行くかなど、また勉強方法なども検討しましょう。
第9回  親子関係に関する第一審民事事件を取り上げたいと思います。正確には、「人事訴訟」事件とよび、家庭裁判所が担当する種類の事件です。さまざまな事件がありますが、お父さんが子供に対してお前は私の息子でないと訴える事件、逆に、子供から戸籍上のお父さんまたはお母さんに対して、親子関係が存在しないことの確認を求める訴えもあります。証拠調べになりますと、DNA鑑定も登場します。このタイプの親子関係の事件について、家庭裁判所の判決文を勉強してみましょう。
第10回  前回に続いて、親子関係事件の家庭裁判所の判決文の勉強です。内容や方法は上記の契約紛争のところで書いたのと同様です。
第11回  前回に続いて、親子関係事件の家庭裁判所の判決文の勉強です。内容や方法は上記の契約紛争のところで書いたのと同様です。
第12回  前回に続いて、親子関係事件の家庭裁判所の判決文の勉強です。内容や方法は上記の契約紛争のところで書いたのと同様です。親子関係の事件について、まとめましょう。
 最後の民事裁判は、事故に基づく民事裁判を取り上げます。不法行為に基づく損害賠償請求という種類の民事訴訟事件です。さまざまな事故があります。例えば、大学生がかかわった交通事故を候補判例として考えています。この手の事件はマスコミで取り上げられた著名事件も多い。例えば、お隣さんのお子さんを預かったが、お母さんの買い物中にそのお子さんがため池で亡くなってしまった事故により生じた、損害賠償訴訟があります。その他、最近の著名事件も検討したいと考えています。あるいは受講者のみなさんに探して頂くことも、イベントとして考えましょうか。
第13回  前回に続いて、事故に基づく損害賠償請求事件を取り上げます。授業の内容や方法は、いままでと同様の方法です。どのような事故が発生したのか、被害者は誰で、どんな被害が発生したか。加害者は誰か。被害者から加害者に対して、どのような権利が主張されているか。被害者はそのためにどのような事実を主張しているのか。これに対し、加害者の反論はどのような内容か。当事者間の対立点はどのようなものか、勉強してみましょう。
第14回  前回に続いて、損害賠償訴訟について勉強します。裁判所の判断はどのようなものでしたか。どのような条文に基づき、どのような判断になっていますか。
第15回  前回に続いて、損害賠償訴訟について勉強します。同時に、全体を鳥瞰して、授業の内容をまとめましょう。
授業外学習の課題  上述しましたように、1.判決文をきちっと読む、2.レポート課題を仕上げる、3.授業中の質問などに答えることができるように予習をしてくる、このような授業スタイルで進めます。頑張って下さい。
履修上の注意事項  上記のような授業進行の形で、授業を進める予定でいます。決して無理な要求はしませんが、判決文をしっかり読むこと、レポート課題を作成すること、六法を使えるようになること、以上の事項は厳守でお願いします。

成績評価の方法・基準  普段の授業への取り組み姿勢や発言内容(50%)、レポート課題(30%)、授業への取り組み(20%)を全体的に総合評価して、決定する。
テキスト 特に指定はしない。授業で使用する民事判例の判決文(判例といいます。)は、事前に配布します。
参考文献 適宜、指摘します。
主な関連科目 民法、民事訴訟法
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
授業の終了時に対応します。また、事前に連絡下されば、研究室で面談する日時を設定して応じます。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次
法学部法律学科(演習) FLLA20801 2018~2019 2