授業コード 30028200 クラス
科目名 経済法 単位数 2
担当者 伊永 大輔 履修期 前期授業
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 経済法(Economic Law/Competition Law)
授業の概要 【講義の概要】
 現代の複雑多様化した経済社会の中で、市場の機能を維持・促進していくためには、事業者間の公正かつ自由な競争が望まれます。そして、このような目的を達成するために、現代社会には様々な法や規制が存在しています。本講義では、その中でも経済憲法と呼ばれる独占禁止法の理解を通して、社会におけるあらゆる経済活動を規律する基本法の仕組みを学びます。
 また、独占禁止法は、競争を通じて消費者が良質廉価な商品を選ぶことができるようにするという意味で、消費者主権を確保する重要な法律でもあります。つまり、経済法を学ぶということは、企業のコンプライアンス(法令遵守)の基本であるとともに、賢い消費者になるための登竜門でもあるわけです。

【講義の方針】
 経済法問題への基本的な対処方法を習得できるよう、法の実際の運用について社会的・経済的な背景と関連付けながら、具体的な事例を挙げて講義を進めます。
 その際、内閣府公正取引委員会での実務経験をもとに、各業界における規制実態など、実際の経済社会の理解につながる有益な情報についても触れていきたいと思います。

※ いずれかの講義に代わり、公正取引委員会幹部職員や独占禁止法専門弁護士による講演を行うことを予定しています(日程は未定)。
学習の到達目標  本講義を通じて、経済社会において問題となっている事件のポイントを理解することができるようになるとともに、会社員・公務員・消費者として日常の業務等で直面する独占禁止法をめぐる諸問題への基本的な対処方法を理解できるようになることを学習の到達目標としています。
授業計画 第1回 なぜ経済法を学ぶのか(インストラクション)
第2回 なぜ競争は大事なのか — 独占禁止法の目的と規制構造
第3回 談合・カルテル(1)- 不当な取引制限規制の意義と要件
第4回 談合・カルテル(2)- 入札の仕組みと事例
第5回 談合・カルテル(3)- 市場画定と競争上の弊害
第6回 談合・カルテル(4)- 公正取引委員会の組織と課徴金制度
第7回 不公正な取引方法(1)- 行為類型と公正競争阻害性
第8回 不公正な取引方法(2)- 取引拒絶型(共同の取引拒絶)
第9回 不公正な取引方法(3)- 拘束条件型(再販売価格の拘束)
第10回 不公正な取引方法(4)- 拘束条件型(拘束条件付取引)
第11回 不公正な取引方法(5)- 取引強制型(抱き合わせ販売)
第12回 不公正な取引方法(6)- 搾取濫用型(優越的地位の濫用)
第13回 不公正な取引方法(7)- 取引妨害型(競争者に対する不当妨害)
第14回 私的独占(1)- 規制の意義と要件・行為類型
第15回 私的独占(2)- 支配型と排除型の事例
授業外学習の課題  経済法、特に独占禁止法が絡む問題は、日常生活の場においても知らず知らずのうちに遭遇します。たとえば、公正取引委員会の取りあげる事件は新聞等で大きく報道されていますし、皆さんも社会に出て企業で働くと、様々なビジネスシーンで独占禁止法・下請法・景品表示法等の経済法が問題となる場面に遭遇し、どうすべきか判断を迫られることもあるでしょう。そのような場合を想定し、日頃から新聞等でニュースに接した際には、授業で学習した知識を使って情報を読み解き、自分を守り会社を守るにはどうすればよいか、考えてみてください。
 また、政府による様々な規制の是非が議論されていますが、市場機能を活用して政策目的を達成するにはどのような規制手法が望ましいかを考えてみたり、その判断を選挙における投票行動に反映したりすることもできるはずです。皆さんも、社会人の素養として経済法の知識を応用してみてはいかがでしょうか。
(授業外学習に要する目安の時間:1〜2時間/週)
履修上の注意事項 (1)講義はパワーポイントを用いて行います。
(2)講義には、簡単なものでよいので六法を持参してください。
(3)その他、講義に関して必要な事項は最初の授業で説明します。
成績評価の方法・基準 期末試験の成績(85%)及び授業中に行われる理解度確認テストやリアクション・ペーペー(15%)で評価します。出席点はありません。期末試験は、各回の授業からまんべんなく出題する形式です。
テキスト Moodleを利用して毎回の授業スライドをいつでも閲覧・印刷できるようにします。
課題に対するフィードバックを行う場合にも、Moodleを利用します。
参考文献 『独占禁止法(第3版)』菅久修一・品川武・伊永大輔・原田郁、商事法務(2018年)
『経済法判例・審決百選〔第2版〕』金井貴嗣・泉水文雄・武田邦宣(編)、有斐閣(2017年)
『ケーススタディ経済法』大久保直樹・伊永大輔・滝澤紗矢子(編著)、有斐閣(2015年)
主な関連科目 基礎演習:前期火曜4限
ゼミナール基礎:後期木曜2限
ゼミナールⅠ・Ⅱ:前期・後期火曜3限
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
 7号館4階に研究室があります。オフィス・アワーの時間以外も基本的におりますので、お気軽に質問等をしに来てください。もちろん、授業後の質問やメールでの質問でもかまいません。
 疑問に思ったら、そのままにせず、友達と議論したり一緒に質問にきたりして疑問を解消するようにしましょう。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次
経済科学部現代経済学科(G群) 2007~2016 2・3・4
経済科学部現代経済学科(G群) FECE20707 2017~2018 2・3・4
経済科学部経済情報学科(G群) 2011~2016 2・3・4
経済科学部経済情報学科(G群) FEEI20707 2017~2018 2・3・4
法学部法律学科(企業法) 2007~2010 2・3・4
法学部法律学科(企業法) 2012~2016 2・3・4
法学部法律学科(企業法) FLLA20606 2017~2017 2・3・4
法学部国際政治学科(F群) 2011~2016 3・4
法学部国際政治学科(F群) FLIP30606 2017~2017 3・4