授業コード 30027500 クラス
科目名 金融取引法 単位数 2
担当者 上谷 均 履修期 後期授業
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 債権担保に関する民法の諸制度の概観
授業の概要  金融取引という言葉は民法分野を超える広範囲のものを対象とするが、本講義の対象は、金銭債権の履行を確保するための民法上の諸制度に限定される。また、金銭債権の履行を確保するための民法上の諸制度としては、債権譲渡、相殺、債権者代位権、債権者取消権などの重要な制度も含まれるが、これらについては債権総論の授業で詳しく学修することとし、この講義では、債権者が債務者や第三者の財産から直接に債権を回収するために利用する制度としてもうけられている、いわゆる担保法の分野を詳細に取り上げる。
 担保法は、民法の物権法の分野に属する担保物権(これを物的担保と呼ぶ)と、債権法の多数当事者の債権債務関係の分野に属する人的担保と呼ばれるものに分けられる。物的担保では抵当権を理解することに重点を置き、また、人的担保では保証に力点を置きつつ連帯債務も合わせて学修する。また、債権回収に関する手続法として民事執行法に関する知識が不可欠であるので必要に応じて解説を行う。なお、人的担保は改正民法により変更された部分があるが、物的担保は影響がない。
 毎回、出席確認と授業の理解の確認を兼ねた簡単なペーパーを提出してもらうこととし、このために受講者確定後は座席指定を実施する予定である。
学習の到達目標  物的担保と人的担保に関する民法上の諸制度の基本的な仕組みを条文や判例に則して正確に理解すること、および、債権回収のための手続きの基本を理解することを目標とする。
授業計画 第1回 受講上の注意/担保法概説(金銭債権の回収に関する民法上の諸制度及び民事執行手続きの概説)
第2回 約定担保物権の概要(質権の概説を含む)
抵当権① 抵当権の設定/抵当権の効力が及ぶ債権と目的物の範囲/抵当権の実行手続き
第3回 抵当権② 抵当権と所有権・利用権の関係
第4回 抵当権③ 抵当権侵害/物上代位
第5回 抵当権④ 共同抵当/抵当権の処分
第6回 抵当権⑤ 抵当権と利用権-法定地上権
第7回 根抵当権
第8回 前半のまとめ/重要事項の復習
第9回 法定担保物権 留置権/先取特権
第10回 非典型担保 譲渡担保①
第11回 非典型担保 譲渡担保②/所有権留保
第12回 多数当事者の債権債務関係の概説(分割債権債務・不可分債権債務)/保証①
第13回 保証②/特殊な保証
第14回 連帯債権・連帯債務
第15回 後半のまとめ/重要事項の復習
授業外学習の課題 予習と復習は不可欠である。毎回、事前に配布する講義資料を読んでから授業に臨むことが最低限必要である。六法を参照しながら学修する習慣を身につけること。
履修上の注意事項 授業には六法を必ず持参すること。第1回講義で授業の進め方や成績評価方法を詳しく説明するので必ず出席すること。
成績評価の方法・基準 定期試験70点と毎回提出するペーパー30点の成績を合計して総合評価する。
テキスト 未定
参考文献 ①瀬川信久・内田貴・森田宏樹『民法判例集 担保物権・債権総論[第3版]』(有斐閣、2014年)2900円
②潮見佳男・道垣内弘人編『民法判例百選Ⅰ 総則・物権[第8版]』(有斐閣、2018年)2200円 修大生協
③中田裕康・窪田充見編『民法判例百選Ⅰ 債権[第7版]』(有斐閣、2015年)2200円 修大生協
④松本恒雄・潮見佳男編『判例プラクティス 民法Ⅰ 総則・物権』(信山社、2010年)3600円 修大生協
⑤松本恒雄・潮見佳男編『判例プラクティス 民法Ⅱ 債権』(信山社、2010年)3600円 修大生協
主な関連科目 主専攻科目「民事法」科目(とくに債権総論と民事執行法)
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
希望に応じて随時対応する。対応可能な時間帯は第1回授業で配布するプリントに記載する。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次
法学部法律学科(民事法) 2007~2010 2・3・4
法学部法律学科(民事法) 2012~2016 2・3・4
法学部法律学科(民事法) FLLA20503 2017~2017 2・3・4
法学部国際政治学科(F群) 2011~2016 2・3・4
法学部国際政治学科(F群) FLIP20609 2017~2017 2・3・4