授業コード 30009800 クラス
科目名 英米文学概論Ⅰ 単位数 2
担当者 市川 薫 履修期 前期授業
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 An Outline of British Literature
授業の概要 この授業では「イギリス文学」の中から、その誕生から1900年ごろにかけて発表された小説を中心に紹介、解説することにする。それらはすべて、英語を学ぶ者にとって少なくとも作者と作品名、そして粗筋ぐらいは知っていないと恥ずかしい作品(つまりcanon)ばかりである。最初の授業で(1)各作品のあらすじ、(2)簡単な解説、(3)作品の冒頭部分の3種類のプリントを最初の授業で配布するので、予習復習に役立ててほしい。
授業では原則として2回で一作品を取り上げ、1回目に作品の冒頭部分を読む。受講生は丁寧に予習をし(翻訳を活用することも有効である)、何が書かれているか、どのように描かれているかを真剣に考え、その結果を授業で遠慮なく発表するとともに、その作業を通して、小説を鑑賞する為の視座を獲得することを目指してほしい。
学習の到達目標 <知識・理解>
(1)授業で取り上げる作者と作品について概略を述べられること。
(2)授業で読む英語について、英文和訳ができること。
<思考・判断>
小説を鑑賞する為の、基本的な視座を身につけ、論じることができるようになること。
<関心・意欲>
しっかりとした予習をおこない、それに基づいて活発に意見を発表できるようになること。
授業計画 第1回 イギリスを構成する4つの国
第2回 「近代小説」の誕生―主人公はなぜ「外」へ出ていくのか(1)
   *Daniel Defoe, Robinson Crusoe (1719) 冒頭部分の読解。
第3回 「近代小説」の誕生―主人公はなぜ「外」へ出ていくのか(2)
   *Daniel Defoe, Robinson Crusoe (1719) 作品解釈
第4回 「ゴシック小説」から「偉大な伝統」へ、
   *Jane Austen, Pride and Prejudice (1813) 冒頭部分の読解。
第5回 「外」から「内」へ、結婚」というテーマ(1)
   *Jane Austen, Pride and Prejudice (1813) 作品解釈。
第6回 ストーリーの定番=「教養小説」(1)、大英帝国の光と影
   *Charles Dickens, Great Expectations (1860-61) 冒頭部分の読解。
第7回 ストーリーの定番ー「教養小説」(2)、大英帝国の光と影
   *Charles Dickens, Great Expectations (1860-61) 作品解釈。
第8回 ご都合主義はどこまで許される?-「女の子」小説のすごさ(1) 
   *Charlotte Bronte, Jane Eyre(1847) 冒頭部分の読解
第9回 ご都合主義はどこまで許される?-「女の子」小説のすごさ(2)
   *Charlotte Bronte, Jane Eyre(1847)作品解釈
第10回 イギリス小説の「突然変異」
   *Emily Bronte, Wuthering Heights (1847) ノヴェルとロマンス(冒頭部分の読解を含む)。
第11回 なぜ幸せになれないの、わたしが悪いの?―英国の陰り(1)
   *Thomas Hardy,Tess of the D'Urbervilles(1891)冒頭文の読解。
第12回 なぜ幸せになれないの、わたしが悪いの?―英国の陰り(2)
   *Thomas Hardy,Tess of the D'Urbervilles 作品解釈。
第13回 William Shakespeareとイギリス演劇
第1回レポート提出
第14回 イギリスの詩
第1回レポートの返却及び講評
第15回 全体のまとめ
授業外学習の課題 予習復習には最低2時間が必要。また、以下の作品をできる限り多く読むこと。
Daniel Defoe, Robinson Crusoe
Jonathan Swift, Gulliver's Travels
Jane Austen, Pride and Prejudice
Mary Shelley, Frankenstein
Charlotte Bronte, Jane Eyre
Emily Bronte, Wuthering Heights (『嵐が丘』)
Charles Dickens, Great Expectatios (『大いなる遺産』)
Thomas Hardy, Tess of the D'Urbervilles (『テス』)
Oscar Wilde, The Picture of Dorian Gray
E.M.Forster, Howards End
D.H.Lawrence, Sons and Lovers(『息子と恋人』)
James Joyce, A Portrait of the Artist as a Young Man (『若き芸術家の肖像』)
Virginia Woolf, Mrs Dalloway
William Golding, Lord of the Flies (『蠅の王』)
Margaret Drabble, The Millstone (『碾臼』)
Ian McEwan, Amserdam (『アムステルダム』)
Kazuo Ishiguro, The Remains of the Day (日の名残り』)
履修上の注意事項 (1)各小説の冒頭部分の英語をしっかりと読むこと。いずれも翻訳のある作品ばかりなので、それらを積極的に活用することを勧める。そして、その冒頭部分にどんなことが書かれているか、細かいことも含め徹底的に吟味すること。
(2)授業を通して、何にこだわった結果、何が見えてきたか、をしっかりつかむこと。
(3)レポートを書くこと。
(4)レポート、学期末テスト、すべてを提出あるいは受験すること。授業には積極的に参加し、質問に対しては臆することなく答えること。一時間目の授業であるし、課題もあるし、試験も行う。いい加減な気持ちでは単位取得は不可能であることをあらかじめ述べておく。
(5)いかなる理由があっても欠席は4回までとする。
  (病気、交通機関の乱れ、冠婚葬祭等、一切の事情を含める。)

【この科目は、グローバルコース対象科目(2014年度以降生)にもなっています。※ただし、一部の学部・学科では配当されていない場合があります。】
成績評価の方法・基準 <知識・理解>
①英語試験:30点(授業中に読む「英語」から出題する。英文和訳)
②作家と作品に関する知識テスト:30点
<思考・判断>
レポート:30点(第1回10点、他2回20点)
<関心・意欲>
予習に基づく意見発表:10点
テキスト 担当者がプリントを用意する。
参考文献 随時紹介するが、とりあえず下記の書物によってイギリス小説の歴史的流れを予習しておくことを進める。
川口喬一、『イギリス小説入門』、研究社
また、小説の読み方を知る一助として、
平野啓一郎、『本の読み方ースロー・リーディングの実践』、『小説の読み方』、いずれもPHP選書
トーマス・C・フォースター、『大学教授のように小説を読む方法』、白水社
林文代、『英米小説の読み方・楽しみ方』、岩波書店
を読んでおくとよい。
また、レポートの書き方については以下の書物を参考にすること。
河野哲也『レポート・論文の書き方入門第3販』、慶應義塾大学出版会
主な関連科目
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
Moodleを利用するので、有効活用してほしい。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次
法学部国際政治学科(H群) 2011~2016 2・3・4
法学部国際政治学科(H群) FLIP20809 2017~2017 2・3・4