授業コード 00012551 クラス 51
科目名 総合教養講義a(病気の生物学) 単位数 2
担当者 髙橋 恭一 履修期 後期授業
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 健康管理のための生物学
授業の概要 第二次世界大戦終了後、医療技術の発達、栄養の向上、そして衛生環境の改善によって日本では感染症が激減した。ところが、高度経済成長期に入ると、生活の場には新たな化学物質が溢れ、これらは公害を生み、その後ガンやアレルギー疾患の発生へと繋がっていった。また、社会構造が変化(高齢化社会)する中で、脳血管疾患や心疾患が表在化し、これらの発生には生活習慣が関係していることが明らかになってきた。近年、家庭環境や労働環境の変化が過度のストレスとなり、これが原因となって生じる精神疾患が増加の一途を辿っている。このような現代社会を健康に暮らすには、自分の健康に関心を持ち且つ管理することは当然であり、このために「身体機能の正常と異常」を知ることは不可欠である。
本講義では、
(a) 病気とは(死因と現代生活)
(b) 生体防御のしくみ(自然免疫と獲得免疫)
(c) アレルギーとアナフィラキシー(生体の防御過剰)
(d) 見えない恐怖(微生物[ウイルス、細菌やカビなど]の攻撃)
(e) 心疾患と脳血管障害(生活習慣病[高血圧、動脈硬化と糖尿病など]の蔓延)
(f) ガンとの戦い(正常細胞のガン化)
(g) タバコの害
などのテーマについて解説し、われわれが健康に生きるための術を授ける。
学習の到達目標 知識・理解の目標
「生体防御」と「病気発生」に関する医学・生物学的基礎を理解し、健康を自己管理するために必要な事項について説明することができる。
思考・判断の目標
本講義のみならず新聞、雑誌やテレビなどで報道される医学・生物学関連のニュースなどを通じて、生命現象に潜む物理・化学的事象について理解し、生命維持に必要なしくみについて論理的に考えることができる。
関心・意欲の目標
病因を排除する方法を医学関連の書籍や文献などで調べ、自分、家族や友人などの健康維持のために活用することができる。
態度の目標
ヒトの身体各部(内臓を含む)の機能を正常に保つために、身の回りの環境(空気、水、食事、住環境や都市環境など)から病因を避けるあるいは取り除く行動をとることができる。
技能・表現の目標
健康維持に必要な医学・生物学に関する知識を、適切な術語(専門用語)を使用し、正しい日本語で論理的に表現することができる。
授業計画 第1回 講義ガイダンス、健康と病気の定義、死因分析
第2回 生命の成り立ち、生体防御のしくみ
第3回 感染症総論、感染の経路とその標的
第4回 感染症各論(細菌)
第5回 感染症各論(ウイルス)
第6回 感染症各論(真菌、原虫)
第7回 感染症各論(クラミジア、リケッチャー)、プリオン
第8回 エマージングウイルス、抗生物質、正常細菌叢
第9回 アレルギーとアナフィラキシー、拒絶反応
第10回 心疾患と脳血管障害総論
第11回 血液、血液循環、心臓機能
第12回 心疾患と血管に関する病気
第13回 脳血管障害と糖尿病
第14回 悪性新生物(ガン)総論、ガン発生のメカニズムⅠ
第15回 ガン発生のメカニズムⅡ、ガンの浸潤と転移
授業外学習の課題 (a) 講義内容を確認(復習)すると同時に、予習が円滑に行えるよう、講義ノートを作成する(このノートは、講義中に実施するクイズ[小テスト]に答えるために役立つ)。
(b) 講義では生物学や医学で一般的に使われる専門用語を多用するので、これらの意味を生物学辞典や医学辞典などを用いて調べ理解する。
(c) 以下に列挙した参考文献の中で、生物学の基礎的・基本的部分および講義内容に関連する部分を読み理解する。
(d) 高度な内容(最新の研究成果)を教授する際、講義時に学習内容(復習と予習)を指示する。
(e) 成績評価のための課題レポートの詳細(「テーマ」や「提出期限」等)は講義中に指示する。
履修上の注意事項 講義内容に連続性があるため、毎回出席が基本である。従って、4回(第1回目の授業を含む)以上の欠席は認めない。身体機能や病気のしくみを解説する視覚教材(ビデオなど)を使用するが、この中には刺激的な内容が含まれることがある。
講義ノートは評価の対象であり、その取り方(評価の基準)と提出方法については講義中に指示する。
講義内容に関連するプリントを講義直前に配布する。配布されたプリントは必ず持参する必要がある。
成績評価の方法・基準 学習の到達目標の中で、特に「知識・理解」、「関心・意欲」そして「技能・表現」を中心に成績評価を行う。
成績評価の方法は、講義中に実施するクイズ[小テスト]と課題レポート(30%)、講義ノート(10%)および定期試験(60%)とする。単位の認定には、これらを総合して60%以上のポイント獲得が必要である。クイズ[小テスト]、講義ノートおよび定期試験では講義内容を理解(知識の正確さ)しているか否か、課題レポートでは健康に対する意識が醸成されているか否かを判定する。
定期試験を受けない場合、X評価とする。また、所定の出席に満たない場合にもX評価とする。
テキスト テキストは使用しない。必要に応じて、プリントを配布する。
参考文献 細胞のはたらきがわかる本(伊藤明夫;岩波書店)
目でみるからだのメカニズム(堺 著;医学書院)
健康の地図帳(大久保 監修;講談社)
病気の地図帳(山口 監修;講談社)
からだの地図帳(高橋 監修;講談社)
ガンの生物学(松原 著;裳華房)
病気の成り立ちとからだⅠ・Ⅱ(中野 著;医歯薬出版)
ネッター 解剖生理学アトラス(相磯と渡辺 訳;南江堂)
ヒューマンバイオロジー 人体と生命(岡田ら 監訳;医学書院)
ヒトの生物学(永田 監訳;丸善)
みえる人体(佐藤ら 監訳;南江堂)
ナースが視る病気(薄井 著;講談社)
身体のからくり事典(杉崎 著;朝倉書店)
図説からだの事典(中野 編;朝倉書店)
病気と健康の世界地図(千葉 訳;丸善)
症状と薬からひも解く生理学(當瀬 著;南山堂)
はじめの一歩のイラスト病理学(深山 編;羊土社)
ボロン ブールペープ 生理学(泉井 総監訳;西村書店)
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 総論・各論(香川ら 編; 南江堂)
主な関連科目 生物学、教養講義(ヒトの生命科学)
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
月曜日第1時限目(09:00~10:30)をオフィスアワーとする。オフィスアワー以外でも質問・相談を受けるが、この場合予約が必要である。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次
商学部商学科(教養科目) 2008~2016 1・2・3・4
商学部商学科(教養科目) WGEL13402 2017~2019 1・2・3・4
商学部経営学科(教養科目) 2008~2016 1・2・3・4
商学部経営学科(教養科目) WGEL13402 2017~2019 1・2・3・4
経済科学部現代経済学科(教養科目) 2008~2016 1・2・3・4
経済科学部現代経済学科(教養科目) WGEL13402 2017~2019 1・2・3・4
経済科学部経済情報学科(教養科目) 2008~2016 1・2・3・4
経済科学部経済情報学科(教養科目) WGEL13402 2017~2019 1・2・3・4
人文学部人間関係学科心理学専攻(教養科目) 2008~2016 1・2・3・4
人文学部人間関係学科社会学専攻(教養科目) 2008~2016 1・2・3・4
人文学部人間関係学科社会学専攻(教養科目) WGEL13402 2017~2019 1・2・3・4
人文学部人間関係学科教育学専攻(教養科目) 2008~2015 1・2・3・4
人文学部教育学科(教養科目) 2016~2016 1・2・3・4
人文学部教育学科(教養科目) WGEL13402 2017~2019 1・2・3・4
人文学部英語英文学科(教養科目) 2008~2016 1・2・3・4
人文学部英語英文学科(教養科目) WGEL13402 2017~2019 1・2・3・4
法学部法律学科(教養科目) 2008~2016 1・2・3・4
法学部法律学科(教養科目) WGEL13402 2017~2019 1・2・3・4
法学部国際政治学科(教養科目) 2008~2016 1・2・3・4
法学部国際政治学科(教養科目) WGEL13402 2017~2017 1・2・3・4
人間環境学部人間環境学科(教養科目) 2008~2016 1・2・3・4
人間環境学部人間環境学科(教養科目) WGEL13402 2017~2019 1・2・3・4
健康科学部心理学科(教養科目) WGEL13402 2017~2019 1・2・3・4
健康科学部健康栄養学科(教養科目) WGEL13402 2017~2019 1・2・3・4
国際コミュニティ学部国際政治学科(教養科目) WGEL13402 2018~2019 1・2・3・4
国際コミュニティ学部地域行政学科(教養科目) WGEL13402 2018~2019 1・2・3・4