授業コード 30061500 クラス
科目名 特別講義A(地域から考える環境法) 単位数 2
担当者 山田 健吾 履修期 前期授業
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 地域から考える環境法 Introduction to Environmental Law - Environmental protection of the Seto Inland Sea
授業の概要 1 授業の目的 
  この講義では、環境問題に関心を寄せ、環境法について学びたい、学んでみようかなという、学生のみなさんを対象にして、環境と法について、一緒に考えていくことを目的としています。
 環境と法について考える素材として、瀬戸内海を取り上げて、瀬戸内海という「地域」から、環境法について学ぶことで、人と自然との共生のあり方を、受講生のみなさんとともに構想してみたいと思っています。
 この授業では、「地域」から環境(法)を学ぶとともに、オーストラリアの自然環境政策を勉強して、南半球になるオーストラリアから瀬戸内海という地域を見てみようと思います。

2 授業の進め方
(1)教科書に沿って授業を進めます。必ず、教科書を持参してください。環境法に関する書籍は数多く出版されていますが、この教科書は、環境法を、大学で、「はじめて」環境法を学ぶ学生のみなさんを想定して執筆されています。そのため、写真や資料等を用いて、読者が環境法についてイメージしやすくなるように工夫をしています。
(2)瀬戸内海にかかわる、具体的な事案を取り上げて、そこで、どんな公害環境問題が起きているのか、なぜ起きたのか、をしっかりと勉強したのち、それに対して、法律はどのようにそしてどこまで機能したのか、を勉強していきます。
(3)オーストラリアには、どのような生態系があるのか、それがどのようにして保護されているのかについて勉強してみます。
(4)以上のことを踏まえて、私たちが、瀬戸内海の環境を守らなければならないとするのであれば、私たちに何ができるのか、ということをみなさんと考えていきたいと思います。
(5)この講義は環境「法」の講義ですが、その対象は法学部の学生のみなさんだけではありません。みなさんがどこかの企業に就職して、「エコな」商品の開発に携わったり、企業として「エコな」活動の取り組むというときに、「法」についての必要最低限の知識は必要となります。法学部の学生のみなさんだけではなく、それ以外の学生のみなさんにもきっと役立つと思います。
学習の到達目標 (1)環境法というものの考え方を身に付ける。
(2)環境法についての理解を前提として、環境を保全するための具体的な政策提案をすることができるようになる。
授業計画 第1回 瀬戸内海がcool!?
(1)瀬戸内海が国立公園って知っていました?
(2)瀬戸内海に世界が注目しているらしいって知ってました?
(3)里山ではなく里海って知っていますか?
第2回 ものさしをつくる???〔環境法の法原理〕
 この授業では、みなさんとと一緒に、いろいろな環境問題を見たり、聞いたり、考えたりします。そのときに、どこに着目してみたり、聞いたり、考えたりすればよいのでしょうか。見たり、聞いたり考えたりするためには、コツがあります。それは、みなさんそれぞれが、環境を法という視点から考えるための「ものさし」を持つことです。この回では、その「ものさし」のひな型を説明しますので、これをベースにみなさん各自で、ものさしをアレンジしてみてください。
第3回 水俣病はなぜ起こったのか?〔水質汚濁防止法〕
(1)いまだに解決されていない水俣病。そして、瀬戸内海もかつては水質汚濁で大変でした。水俣病が発生した時代、実は、公害を防止するための法律は存在していたのです。なぜ、その法律は機能しなかったのでしょうか。どこに問題があったのでしょうか。
(2)水俣病はまだ終わってはいません。裁判は続いているのです。なぜなのでしょうか。
(3)ブラジルでも、アメリカ合衆国のサンフランシスコでも水俣病が注目されています。なぜでしょう?
第4回 瀬戸内海でも公害事件が!?〔大気汚染防止法〕
(1)瀬戸内海で、かつて、どのような公害事件があったのでしょうか。
(2)公害事件のうち、裁判で争われた事案を素材に、「何が」「なぜ」問題だったのかを勉強してみます。
第5回 瀬戸内法
(1)瀬戸内海の現状について少し真剣に調べて勉強してみましょう。
(2)瀬戸内海を守るために、「瀬戸内法」という法律が存在します。この法律の中身を勉強して、これで本当に瀬戸内海の環境を守ることができるのか、ということについてみなさんと一緒に考えてみたいと思います。
第6回 瀬戸内海と埋め立て〔自然公園法〕
(1)瀬戸内海の自然海浜の割合は極めて少なくなっています。埋め立てのためです。瀬戸内海には廃棄物護岸というものがあります。これは、海面を利用して廃棄物を処分するための場所になります。これも埋め立てになります。
(2)海面を埋め立てるということと環境保全について、愛媛県の織田が浜の事例と沖縄の辺野古の事例を題材にして考えてみます。
第7回 豊島事件〔廃棄物処理法〕
(1)豊島ってどこにあるの?豊島は、国立公園である瀬戸内海にあるのです。なのに、その豊島で当時日本最大の不法投棄事件が起こったのです。不法投棄事件が発生した理由はいくつかあるのですが、そこには、自然公園法と廃棄物処理法にある問題があったからなのです。その問題について考えてみます。
(2)豊島事件は裁判ではなく調停によって解決に至りました。なぜ、訴訟を提起しなかったのでしょうか。それにはある理由があったのです。
第8回 森のクマさんを捕獲する?〔生物多様性基本法〕
(1)「生物多様性って、生物が多様であること???」
(2)なぜ、生物が多様でなければならないのでしょうか。
(3)「人権」はあっても「犬権」はありません。なぜでしょうか?
第9回 カンガルーとコアラとカモノハシ〔オーストラリア環境法〕
(1)オーストラリアには、オーストラリア固有の種がいます。カンガルーに、コアラ、ポッサム、カモノハシ、ウォンバット、エミューなどなどなど多様な固有種です。
(2)オーストラリアは、これらの固有種をどのようにして保護しているのでしょうか。みなさんと一緒に考えてみたいと思いおます。
第10回 牧羊犬がペンギンを守る?〔オーストラリア環境法〕
 ”Oddball”という映画を知っていますか?
 オーストラリアのメルボルンから車で3時間くらい西に行くと、Warrnamboolというところがあります。ここで、絶滅しかかっていたフェアリーペンギン(リトルペンギン)を牧羊犬が守ったという、ホントにあったお話を基に作られたのが先ほどの映画です。この映画を素材に、自然を保全するということ、その方法について考えてみたいと思います。
第11回 海砂って?海砂の何が問題なの?〔開発法制と環境法〕
瀬戸内海では海砂の取りすぎによる生態系への影響が一つの問題となり、瀬戸内海関係府県は海砂採取を全面的に禁止しました。海砂の採取が生態系にどのような影響を及ぼしたのでしょうか、生態系に影響を及ぼすほどの、海砂の採取がなぜ可能だったのでしょうか。これを規制する法律や条例はなかったのでしょうか。他方で、海砂の採取の禁止は、東アジア諸国の環境に悪影響を及ぼすおそれがあるともいわれています。これらのことについてみなさんと一緒に考えてみたいと思います。
第12回 「崖の上のポニョ」と鞆の浦-景観ってだれのもの?〔景観法〕
 「崖の上のポニョ」は鞆の浦の景観をベースに作成されたといわれています。その鞆の浦の景観をめぐって、数年前に、裁判で争われました。この裁判を題材にして、景観と眺望とは何が違うのか、というそもそもの話に始まり、景観を保全するための法政策はどうあるべきかについて、みなさんと一緒に考えたいと思います。
第13回 伊方原発と島根原発と上関原発と福島第一原発とオーストラリア!?〔原子力規制〕
 東日本大震災以後、私たちは原発とどのように向き合うのか、ということを真剣に考えなければならなくなりました。広島県には原発はありませんが、対岸の愛媛県に原発がありますし、島根県にもあります。おとなりの山口県では原発建設をめぐって訴訟が継続しています。原発をめぐってどのような裁判が繰り広げられてきたのか、これに対する法規制はどのようなものなのか、今後、原発をどのように取り扱っていけばよいのか、についてみなさんと一緒に考えていきます。
第14回 騒音も「りっぱな」?公害-国道2号西広島バイパス(高架)延伸工事事件
 環境基本法は、騒音も公害であると規定し、これを規制する法律として騒音規制法があります。騒音による被害は深刻で、道路、空港、新幹線による騒音などをめぐって裁判で争われてきました。最近では、広島でも国道2号西広島バイパスの騒音をめぐって判決も出されたところです。これらの裁判を題材に、騒音をめぐるわが国の法制度の問題点をみなさんと一緒に考えます。
第15回 瀬戸内法の改正提案をしてみる。
 最後の授業では、これまで学んできたことを踏まえて、みなさんと一緒に、瀬戸内法の改正案を作成してみたいと思います。
授業外学習の課題  授業において紹介した参考資料を読むことはもちろん、新聞などのメディアで「環境」について語られることがあれば、是非、関心を持ってみてください。
履修上の注意事項 (1)法律についての知識は必要ありません。授業を聞いてもらえれば、自然と身につきます。
(2)教科書は必ず持参してください。授業は、教科書に沿ってすすめていきます。

【この科目は、地域イノベーションコース(2014年度以降生)対象科目にもなっています。】
成績評価の方法・基準 期末試験(70%)、レポート(20%)、授業内での課題(5%)、受講態度(5%)によって評価します。
テキスト 横山信二他編著『はじめての環境法-地域から考える-』嵯峨野書院、2013年
参考文献 授業において、その都度、読んでおいたほうが良い文献を紹介します。
主な関連科目
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
授業終了時に、質問相談を受けます。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次
法学部法律学科(発展科目) 2007~2016 2・3・4
法学部法律学科(発展科目) FLLA30921 2017~2017 2・3・4