授業コード 00024900 クラス
科目名 総合教養講義a(市民と行政法) 単位数 2
担当者 山田 健吾 履修期 後期授業
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 市民と行政法 Introduction to Japanese Administrative Law
授業の概要 【1】授業の目標と内容

この授業は、受講生の皆さんが、大学4年の在学期間の間に、次の目標のいずれかを達成するために、(法学部の学生に限らず)1年生の段階で学んでおくべき基礎的なことがらを、身に付けることを目標としています。

 「行政書士試験に合格しよう。」

 「行政法を学んで民間企業に就職しよう。」

 「行政法を学んで公務員試験に合格しよう。」

 「行政法に強い弁護士・裁判官になろう。」

【2】行政法を学ぶ意義

(1)法学部以外の学生のみなさんへ
 さて、法学部以外の学生のみなさんにとっては、「行政法」というと、公務員志望の学生のみなさんが受講する科目というイメージを持たれているかもしれません。必ずしもそうではありません。例えば、「行政書士試験」、「土地家屋調査士」や「宅地建物取引士資格試験」などの資格試験でも行政法は出題されます。
 でも、公務員試験や資格試験で行政法が必要なのはわかるけど、「民間に就職するのに、なぜ、行政法?」という疑問を持たれる方がいらっしゃると思います。このような疑問を持つのもよくわかりますが、民間に就職してからも、行政法は大いに役立ちます。
 ①みなさんが働くだろう仕事には「業法」という法律が必ず関係してきます。これを理解できるのとできなのでは皆さんの働き方が全く変わってきます。
 ②みなさんが企業に就職して働いていると、県や市の職員の方と交渉したり、許認可の壁を乗り越えることが必要になることがあります。そのとき、県や市の職員の方と交渉するだけの「チカラ」と許認可の壁を突破するための、行政法の知識と、それを活用する能力が必要になってきます。
 法学部以外の学生の皆さんにとっても、行政法という科目は、社会に出て必ず必要となる科目ともいえるのです。

(2)法学部の学生のみなさんへ
 法学部の学生の皆さんにとっても、行政法の勉強は、公務員試験でもそうですし、公務員になってからも大切です。行政法の勉強をすることで、「行政書士試験」、「土地家屋調査士」や「宅地建物取引士資格試験」などの資格試験でも非常に有利になります。
 法学部の授業で、憲法、民法、商法、会社法や訴訟法等の科目を受講している(またはすることになる)と思いますが、これらの科目と行政法は多かれ少なかれ関係していますし、行政法を学びつつ、憲法、民法や刑法などを学ぶと、それらの科目も、より一層理解しやすくなります。
 司法試験科目で行政法が必修科目となっていますように、実は、行政法は、皆さんが思っている以上に、社会とって必要とされている科目なのです。法学部の皆さんにとっては、2年生以降の配当科目である、行政法総論・行政救済法・行政組織法の受講に役立つ内容(これらの科目がすごくよくわかるようになるための講義)をこの授業では提供していきます。
学習の到達目標 【具体的な到達目標】
(1)行政法において、何が語られているかについてイメージを持つことができる。
(2)行政法の基本原理、行政行為、行政救済についての基本的な事柄について理解できるようになる。
 以上のことについて勉強し身に付けることができれば、企業に就職したのちに行政法を勉強する際に役立つのはもちろんのこと、資格試験や公務員試験の勉強をより効果的にすすめることができますし、法学部の方であれば、2年生からの主専攻科目の勉強に非常に役立ちます。
授業計画 第1回 ガイダンスと授業〔国民主権ということを考える〕
(1)教科書のこと、六法のこと、授業の進め方のこと、単位認定方法(平常点、課題、確認テスト、期末試験)のことについて説明します。
(2)「もし、この世界に国家がなかったらどうなるのでしょう?」ということについて考えてみます。
(3)「もし、この世界に、行政法がなかったら、どうなるのでしょう?」ということについて考えてみます。
第2回 「行政ってなに?」「行政はルールに基づいて仕事をするらしい!?」
(1)私たちの勉強の対象である「行政」とは具体的に何のことなのでしょうか。みなさんにはこれを具体的にイメージできるようになってもらいます。
(2)行政は私たちのためにいろいろな仕事をするわけですが、各省庁、県庁や市役所に所属する職員のみなさんが、思い思いに勝手気ままに仕事をするわけではなく、ある一つの大事なルールに基づいて仕事が行われているのです。それが、「法治主義」というルールです。法治主義にはどのような約束事が含まれているのかについて、みなさんと一緒に勉強します。
第3回 なぜ、自動車を運転できるのでしょうか?」〔行政行為〕
 なぜ、自動車を運転できるか、といえば、運転できる技能が備わっているからなのですが、公安委員会が自動車運転免許を交付してくれたからです。運転免許が交付されないと自動車を運転できないのです。なぜ、そんな仕組みが用意されているのか、免許っていったい何なのでしょうか。「免許と言ったら免許!」という答えではなく、それが法的にどのような意味を持つのか、といったことなどについてみなさんと一緒に考えます。
第4回 ストーカー行為規制法・食品衛生法・大気汚染防止法〔行政立法・行政行為・行政指導〕
(1)ストーカー規制法は、ストーカー被害を受けている人を守るために制定されました。ストーカー規制法は、ストーカー被害を受けている人を守るために、行政にいろいろな道具を用意しています。どのような道具が用意されているのかについて説明します。
(2)食品衛生法と大気汚染防止法も、それぞれの法目的を実現するために行政にいろいろな道具を用意しています。実は、この二つの法律は行政に同じ道具を用意しているのですが、その使い方はかなり異なります。大気汚染防止法の道具を食品衛生法で定められている方法で用いると違法となります。その逆もしかりです。以上のことについてみなさんに説明します。
第5回 自力救済できる行政ってちょっとこわいかも?〔行政上の義務履行確保〕
 私たちが生活している空間では、自力救済は禁止されています。お金を貸したのに反してくれないから、無理やり財布を取り上げる、なんてことは認められません。でも、行政には、この自力救済が認められているのです。建築基準法、道路交通法などを素材にして、行政に認められている自力救済とはどのようなものか、それはなぜ認められているのかをみなさんと一緒に考えてみます。
第6回 適正な手続ってどんな手続?〔行政手続法〕
 自動車運転免許を取り消す、とか、ストーカー行為を禁止する命令を出す、とか、行政が私たちとかかわりを持とうとする場合には、一定の手順を踏む必要があります。そして、その手順は適正でなければならないとされるわけです。ここでは、何をもって適正といえるのか、適正な手続きとはどんな手続きなのかについて、みなさんと一緒に考えてみたいと思います。
第7回 ほっておいてもらう権利???〔情報管理〕
 私たちには、国や地方自治体から「ほっておいてもらう権利」を享有しています。ところが、私たちの情報は、行政機関が管理することになってしまいました。それがマイナンバー制度です。このマイナンバー制度を素材に、行政が保有している私たちの情報が適正に管理されているのか、その法制度に何らかの問題はないのか、といったことについてみなさんと一緒に考えてみたいと思います。
第8回 行政法総論の知識が身についたか、みんなで確認してみる。
(1)第1回から7回までの授業で、行政法総論の知識がしっかり身についたかどうかを確認します。
(2)確認テストの解説をします。
(3)第1回から7回までの授業で補足が必要な点について説明を加えます。
第9回 行政を訴えてみる〔行政救済法総論〕
 みなさんが、行政から何らかの形で被害を受けた(過去)、受けている(現在)、あるいは、受けるかもしれない(将来)とき、どのような訴訟を提起すべきかについて説明をします。
第10回 被害を受けてしまったら…〔国家賠償法〕
 「バイクで国道を走っていたら、道路に穴が開いていて、バイクごとひっくり返ってけがをしてしまった」、「小学校の遊具で遊んでいたらけがをしてしまった」などなど、こういった場合に、どのような訴えをだれに提起したらよいのでしょうか、そして、どういう場合に訴えが認められるのでしょうか。これらについてみなさんと一緒に考えます。
第11回 「もし、行政から、あなたが住んでいる家と土地を取り上げられたら」〔損失補償〕
 どうしますか?「はい、どうぞ」と家と土地を渡しますか?行政は、なぜ、あなたの土地や家を取り上げることができるのか、これをめぐって争うにはどのような方法があるのか、についてみなさんと一緒に考えます。
第12回 取消訴訟・義務付け訴訟・差止訴訟
 行政を相手方として争うときに、よく用いられる、取消訴訟、義務付け訴訟そして差止訴訟とはどのような訴訟なのか、これにはどのような機能が備わっているのかについて勉強します。
 ※この回から、少し法技術的な話が増えますが、11回の講義を聞いてくださった皆さんであれば、法学部の方も法学部以外の方も、この少し難しい話が理解できるようになっているはずです。
第13回 処分性=「何を争うのかという問題」
 行政の何らかの仕事に対して、取消訴訟、義務付け訴訟そして差止訴訟を提起するには、その行政の仕事に、処分性という属性が備わっている必要があるのです。この回では、その属性としての処分性ということについて勉強します。
第14回 原告適格=「誰が争うのかという問題」
 取消訴訟、義務付け訴訟そして差止訴訟のいずれかを用いて、行政の何らかの仕事を争うことにして、その「何らかの仕事」に処分性という属性が備わっているとしても、原告になるあなたは、その仕事を争う資格を持っていなければならないのです。これを原告適格といいます。この回では、この原告適格についてみなさんと一緒に考えます。
第15回 行政救済法の知識が身についたか、みんなで確認してみる
(1)第9回から14回までの授業で、行政救済法の知識がしっかり身についたかどうか確認します。
(2)確認テストの解説をします。
(3)行政救済法について補足が必要な事柄について説明を加えます。
授業外学習の課題 授業外学習課題は、以下の通りです。
1.各回の授業前に、テキストの指定された部分を何とか読んでみる。
2.指示された資料や関連判例をなんとか読んでみる。
 以上のことを続けていると、いつの日か、法律学(とくに行政法)の文献や判例がすらすら読めるようになります。

3.第8回及び第15回目の授業で、それぞれ行政法総論及び救済法の総括的な内容の講義とともに、知識が身についたかどうかについて確認する小テストも実施しますので、それに備えて学習してください。
履修上の注意事項  授業では、教科書とポケット六法平成27年版(有斐閣)を使用します。必ず、絶対に、忘れずに授業に携帯してきてください。
成績評価の方法・基準 【期末試験】(70%)、【課題提出】(20%)および【授業内で行う小テスト】(10%)によって評価します。欠席は減点します。
テキスト 横山信二編『演習から学ぶ行政法』嵯峨野書院、2017年9月刊行予定。
ポケット六法平成27年版
参考文献 必要な文献はその都度紹介します。
主な関連科目
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
(1)授業内容については授業終了時に質問相談を受けます。
(2)公務員試験の勉強の仕方、資格試験の勉強の仕方、司法試験受験に向けての勉強の仕方についても授業終了時に質問を受けます。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次
商学部商学科(教養科目) 2007~2016 1・2・3・4
商学部商学科(教養科目) WGEL13601 2017~2017 1・2・3・4
商学部経営学科(教養科目) 2007~2016 1・2・3・4
商学部経営学科(教養科目) WGEL13601 2017~2017 1・2・3・4
経済科学部現代経済学科(教養科目) 2007~2016 1・2・3・4
経済科学部現代経済学科(教養科目) WGEL13601 2017~2017 1・2・3・4
経済科学部経済情報学科(教養科目) 2007~2016 1・2・3・4
経済科学部経済情報学科(教養科目) WGEL13601 2017~2017 1・2・3・4
人文学部人間関係学科心理学専攻(教養科目) 2007~2016 1・2・3・4
人文学部人間関係学科社会学専攻(教養科目) 2007~2016 1・2・3・4
人文学部人間関係学科社会学専攻(教養科目) WGEL13601 2017~2017 1・2・3・4
人文学部人間関係学科教育学専攻(教養科目) 2007~2015 1・2・3・4
人文学部教育学科(教養科目) 2016~2016 1・2・3・4
人文学部教育学科(教養科目) WGEL13601 2017~2017 1・2・3・4
人文学部英語英文学科(教養科目) 2007~2016 1・2・3・4
人文学部英語英文学科(教養科目) WGEL13601 2017~2017 1・2・3・4
法学部法律学科(教養科目) 2007~2016 1・2・3・4
法学部法律学科(教養科目) WGEL13601 2017~2017 1・2・3・4
法学部国際政治学科(教養科目) 2007~2016 1・2・3・4
法学部国際政治学科(教養科目) WGEL13601 2017~2017 1・2・3・4
人間環境学部人間環境学科(教養科目) 2007~2016 1・2・3・4
人間環境学部人間環境学科(教養科目) WGEL13601 2017~2017 1・2・3・4
健康科学部心理学科(教養科目) WGEL13601 2017~2017 1・2・3・4
健康科学部健康栄養学科(教養科目) WGEL13601 2017~2017 1・2・3・4